ヨハネ受難曲

ソリストの皆さんと
ソリストの皆さんと

 

この春、初めてヨハネ受難曲のソロを歌う機会に恵まれました

 

今回、指揮・チェンバロを演奏された山田先生とは、とある合唱団でグリーグの演奏会後に届いたメールをきっかけに、共演させていただけることになりました

 

ヨハネ受難曲はこれまで合唱を一度練習したことがあるだけで、その後もなかなか縁がなかったのですが、アルトに素晴らしいアリアが書かれていて「いつかは演奏したい!!!」という願いが今回このような形で叶ったのです。

 

私は後半のアリア「Es ist vollbracht」を担当しました。

初回のお稽古では、思った以上にゆっくりしたテンポにあたふた(汗)

にもかかわらず、「はい、大丈夫でしょう」と、寛大に受け止めてくださった山田先生。

本当にお優しい。

 

それから本番までの一週間はとにかくヨハネに集中していました。

どんな空気の中でどんな思いで言葉を語ればよいのだろうか。。。

常に思いはめぐります。

 

そんな中、素敵な出来事がありました。

私の住む本庄市から車で小一時間ほどにある、群馬県安中市。

そこで、小林良曹という画家の作品に出会いました。

 

息子さんご夫婦が美術館として公開している蔵造りのアトリエ。

絵の印象は、なんというか、ものすごく心地がいい。

やさしい表現の中で、光や命、そして彼の意思が生き生きと感じられる。

深く安定した何か。時間がたてばたつほどより鮮明に思いによみがえるというような。

 

アトリエでは良曹さんの絵に囲まれながら、息子さんご夫婦とお話させていただきました。

絵の世界と音楽の世界。

似ているようでまったく違ったもの。

それでも重なりあう部分は人であるということ。

とても素晴らしい時間をいただきました。

 

不思議とそのときから、私の心はなんとも穏やかな流れを得たようです。

 

そして迎えたヨハネ受難曲。

ヴィオラの繊細な音色に導かれ、大きな何かに身をゆだねるようにその空間に立てていたように思います。

山田先生をはじめとする演奏者の思いが、最後まで貫かれた素晴らしい演奏会に立ち会わせていただき幸せでした。

 

今年の桜は、またいっそう印象深く心に残りそうです

 

 

上野公園 '12
上野公園 '12