静かな時間

 

アーヘンの春はどこで寄り道をしているのでしょうか。

4月も終わろうとしているのに、

まったく灰色の毎日が続いています。

 

一瞬の青空が見られた先週のある日。

教会のミサ、いわゆるお葬式で歌ってきました。

 

昨年、知人のお母様が亡くなられたときに歌ったとき

葬儀を担当された教会の方が、

私のことを思い出して演奏を依頼してくださったのです。

 

 

 

ここで、初めて正式なミサを経験しました。

私はクリスチャンではないので、 初めての緊張と戸惑いをかくせませんでしたが、

教会の中にいるだけで不思議な気持ちが湧いてきます。

何かがざわざわとして、そして静まっていく。

 

 

 

お式が始まると、穏やかな牧師さんのお声によって

宗教曲でよく耳にするような言葉の数々が聞こえてきました。

それに応える参列者の方々。

オルガンに導かれていく、ひとつひとつの流れ。

とても厳かな空気がそこには流れていました。

 

私はバッハの「Du bist bei mir」と、

バッハ=グノーの「Ave Maria」を歌いました。  

 

 

 

小さな教会ではありましたが、

オルガンと歌の音が天井に集められ

一斉に舞い降りてくるような響きに、

演奏している私自身も

つつみこまれるような感覚がありました。

 

ステンドグラスからこぼれる4月の陽の光がなんとも美しく、

ただただそこに座っていたい、と思う

静かな時間でした